2016.8.14(日)@FM(FM AICHI)「SUNDAY SPECIAL 平井 堅〜THE STILL LIFE投稿者:きゅーちゃん

  原:先日開催された「平井堅、竹下通りでアカペラを歌うの巻」
堅:ちょろっとやってみたやつですね。
原:これは竹下通りが最終的に大変なことになってましたが
堅:そうなんですかね?まあまあね、まあまあですね。
原:いやいやいや、そんなもんじゃないですよ。
堅:大変なねアイドルの方だったら大変なことになると思いますけど、まあ普通に集まって下さって楽しかったですけど。
原:このLINE LIVEの中でも途中で平井堅さんが「意外と人集まらないですね」みたいなことを言われつつも、いやいや結構騒ぎになりつつあるけどみたいなシーンも
堅:いや〜でもね、これ、僕発信でこういうのやりたいって言って、まあなかなかクリアしなければならない壁があって、その都度その都度大人たちってね、しょうもないこと言うんですよ。
ビビっちゃって。あれがどう、これがどう、もし問題が生じたらとかね
そんなことしてたら面白いことできないだろ!つって、半ば強引にやってですね、
平井堅さんが原宿に行ったら騒ぎになりますよ。とか言うわけですね、その会社に所属してる方々っていうのは
「あほか!」と「何にもおきませんから、何にもおきませんから」と何度も言って、「ほら見たことか」と大丈夫だと、そんなね〜嵐じゃないんですから
結構普通に歩いて何も起きないんでね
原:普段プライベートでですか?
堅:全然変装とか一切しないし、
原:絶対目立ちますよね!
堅:目立ってるか目立ってないかわかんないけど、まあ平井堅だって感じ、皆さん特に何にも
電車も乗るし。何にも日常支障なく生きているので
全然大丈夫だったんですけども、皆さん本当に集まって下さって、最後ちょっと歌って下さってね、すごい嬉しかったですね。
原:最後大合唱になってましたもんね。
堅:ほんとに場所とか等々言ってなくていきなり抜き打ちだったんですけど、ちゃんと来て集まって下さって、面白いですね、ああいう、予想もつかない、やったことないことにトライするっていうことは面白いなあと思います
原:第2弾とかはあり得そうですか?
堅:第2弾とかやっちゃうとそれで予定調和になっちゃいそうで、だから1回きりがいいかな?と思ってるんですけど。
また違う面白いこと思いついたら何でもやりたいなと思っています。
原:楽しみにしています。

原:そして、去年20周年を迎えられましたが、デビュー当時から振り返ってみて変化みたいなものってご自身でありますか?
堅:そうですね〜。単純に20歳年とってるんで、肉体も含め内臓も含めね。
そりゃ老化してますし大変ですけども、メンタルっていうか音楽に対する気持ちって言うのはあまり変わってなくて、むしろデビュー当時より今の方が必死っていうか、デビューの頃ってもっと呑気だった気がしますね。今の方がヒリヒリして危機感持って、舐めてたら明日がねえぞって自分に言い聞かせてやってます。
原:大人になった分そういう感情を持っているってことなんですかね
堅:そうなのかな、あとやってきてキャリアっていうのはやればやるほど長くなるんですが、僕はわりとそれに対してネガティブっていうか、キャリアって時として足かせになるんで、やっぱり鮮度っていうのが落ちて行くから、飽きられるし、リスナーの皆さんってすごく厳しいから、やればやるほど次をどうしようかって考えるようになるっていうかストイックになってるような気はするかなほと。
原:今回リリースされましたアルバムの制作にあたっては、そういった苦悩もあったっていうインタビューも読んだんですが
堅:そうですね、自分が何をするべきか、何が合ってるのかっていうのは、自問自答したこの5年だったと思います。

♪魔法って言っていいかな?

原:私も聴かせて頂きました。
私は堅さんが歌うトゲがあるっていうか毒っけがある歌がものすごく好きでして
堅:嬉しい。ありがとうございます。
原:今回も「かわいいの妖怪」を初めそう言った曲がいろいろ入っていて、それと真逆にあるような、そのトゲすら包み込んでしまいそうな温かい柔らかい曲も収録されていて、このバランスがものすごく絶妙で
堅:嬉しい。ありがとうございます。
原:人間の色んな側面を見ているような一枚でした。
堅:嬉しいですね。その毒の部分と柔らかい部分でいうその両面をきちっと打ち出したいなと思ってアルバムに関して思っていたのでよかったなと、感じて頂けると
原:トゲのある曲を作る時と、柔らかい曲を作る時では、堅さんの中でも曲作りの仕方とかも違ったりするんですか?
堅:いや割とおんなじで、両方あって人間だし、僕自身も「かわいいの妖怪」とか「脅威の凡才」とか、ちょっと世の中を斜めに見ちゃうようなところは大いにあるし、口はばったいけど、好きな人見てほっこりしたりだとかいうのもあるし、全て自分の中に当然あるので、色んな感情をただ引っ張り出しただけなので、両方、優しい曲もとがった曲も同じですね。
原:自分の中にあるものが形になっていくというような
堅:引っ張り出すっていうような感じですね。
原:特にこの「かわいいの妖怪」って女性あるあるだと思うんですけど
堅:これ結構悩みましたけどね。敵に回すんじゃなかろうかって。
死後は揶揄しつつも応援するっていう
原:「かわいいの妖怪」に出てくる女性はついつい空気を読みすぎちゃったりとか
堅:そうですね。でもそれが嫌だとかね、懲らしめちゃうぞとかそういうわけでもなくって、例えばそういう一生懸命生きてる女の子がいて、ちょっと話が変わっちゃうんですけど、何でかいわいいの妖怪っていう言葉が間違ってると思うんですけど、かわいい妖怪じゃなく、かわいいっていう今の日本の現象ですよね、きゃりーちゃんとかの可愛いではなく、毒をはらんでるとかじゃなく、女の子はただただ可愛くあるべきっていう、それも全然いいんだけど、
例えば僕がちっちゃい頃、80年代とかもっとかっこいい女の人、もっともっとちっちゃい頃になると、山口百恵さんとか18・9であの色気とか、中森明菜さんとかね、エンターテイメントでもそういうかっこいい女の人いっぱいいたのに、今、40になっても50になっても可愛いみたいな、日本独特の風潮みたいなものが、それもいいんだけど、かっこいい女の人がもっといてもいいのかな?っていう気持ちもあって
可愛いの現象がモンスター化しているっていう気持ちもあってね作ったんですけど
原:そういう目線で聴くとまた違った感じもすると思いますね
そして、今回14曲収録されているうちの9曲にタイアップがついているという
過去も含めてこういう曲お願いしますっていう中で、これさすがに難しかったなっていう
堅:毎回難しくって、たいがい難しいのはね、広いこと言われると一番難しいです
狭ければ狭い方が楽です。
極端にいうと世界平和について書いてくださいとかね、愛について書いて下さいとかね、広いこと言われるとどうしていいかわかんなくて、例えば対象がちっちゃければちっちゃいほど、消しゴムって言われた方が全然いいですよ。
消しゴムの曲書いてくれって言われたら、消しゴムからどんどん広がっていくから。
消しゴムのこと書くかもしれないし、消しゴムで消したい憎らしい人のこと書いてもいいだろうし、自分の心の傷を消しゴムで消せればいいって言う曲をかいたらいいだろうし、対象が具体的でちっちゃい方がいいですね。
原:そういう点では、10曲目に入っている「ON AIR」っていう曲では一つのキーワードでラジオっていう
堅:そうですね。ラジオって言われると、「ON AIR」って曲ができたからよかったけどそういう具体的なものの方がよかったですね。だから書きやすかったです。
原:堅さん自身ラジオとの思い出って何かありますか?
堅:まさに「ON AIR」って曲は、僕のふるさとのラジオ局の30周年で30年前は僕14歳だったんですが、ほんとい聴いてたんですよ。開局当時から
その当時の思い出をまんま歌にしました。
カセットテープにオンエアチェックして、ダビングして、マイフェイバリットサザンとか作って、好きな子にプレゼントとかしてたんで、そのまんまを歌にしたという
原:堅さん自身もそんなカセットとか作ってたんですね。
そりゃもう、アラフォー我々世代はみんなやってました
カセットテープにアルバムタイトルとかをマークシートみたいに、アルファベットA〜Zまでのシートみたいなのがあってこするとテープにぴたっとくっつくんですよ。レタリングですね。
そんな話をして盛り上がりましたけど。
原:三重っていうと13曲目の「TIME」こちらは伊勢志摩サミット応援ソング
そそて5曲目の「桔梗が丘」こちらは三重でMVを撮影と
堅:そうですね、3曲わりとふるさとづいた曲が入ってますね
原:今回のアルバム、初回限定版のDVD特典としてもすごく色々なMVとスタジオライブと収録されています
原:堅さんのMVいつも見させていただいていると、こんなテイストでこの曲来るんだ!特に「ソレデモシタイ」って言う曲はかなり衝撃的なMVだったんですが
堅:あほかっていうね。
原:こういったビデオってどういった形でああなったんですか?
堅:これも僕のアイデアなんですが、曲ができる前からインド人にまぎれたMVを撮りたいってスタッフに言っていて、曲もできてないのに、インド人に間違えられることがあってその話をしたら妙にうけるっていうので、それで「きっとうまくいく」っていうインドのボリウッド映画を観たときにすごい面白くって底抜けに明るいでもよくできているんですね。その映画が
急に歌い出すんですよミュージカルなんで。
こういうMVって僕にしかできないかな?と思って、その映画を観た時に思って
「ソレデモシタイ」っていう楽曲ができたときに全然関係ないんですけど、不倫の歌なんで
だけどノリはいいし踊れるだろうしっていうことで、全然関係ないんだけどインド行きたいって言って
原:あれほんとにインドで撮影したんですか?
堅:そうです。ほんとにいい、個人的には最高にMAXやりきったいていう、すごいカタルシスを味わえた作品ですね。
原:大好きです。違和感なく溶け込んでるのが最高ですよね。
堅:やっぱ音楽作るのも楽しいけどMV作るのも楽しい、もっともっとルールがないから、変な話僕が出なくてもいいし、アートととればずっと砂嵐でもいいし、なにがしかのメッセージがあればね
自分の発想なんてちっぽけだからもっともっと変なことというか自由なことしたいなと思いますけどね。

♪ソレデモシタイ

原:改めてアルバムのタイトル「THE STILL LIFE」STILLって静かなとか動かないという意味のある単語ですよね。
堅:そうです。LIFEが命とか生命ということで静物とか静物画って意味があるらしくて、ジャケットが僕の油絵の肖像画になってるんですけど、歌手になってから悪い意味じゃなく、どんどんどんどん自分がなくなって言っているような気になるんですね。
エゴとかあるんですけど、この仕事してると、例えばヘアメイクさんとかねスタイリストさんとか色んな方が関わって下さっていて、今となってはテレビに出るとかコンサートする時とか、髪をいじられたり服を着せられたりすることに昔よりもされるがままなんですね。
ただの人形のように。もう見もしないし、髪は多少見るけど、服なんか見もしないし
それが自分はシンガーソングライターであり時にはアーティストなんて呼ばれるんですけどそれがすごく恥ずかしくって、歌手であることは間違いない歌ってるので、この20年やってきて何が財産だったかっていうとそれはスタッフだけじゃなくて友達もそうですけど、色んな人が僕にアイデアをくれるんですね。
その人が持ってる才能だしセンスだし情熱だし愛だし、それを僕は平井堅ていう本名だけど、商品でもある平井堅というスピーカーを通して彼らの才能を代弁しているような気持ちがどんどん強くなっていて、肖像なんだけども、静物スピーカーのような気持ちで歌っていて、なので「THE STILL LIFE」っていうタイトルにしたんですけど
でありたいという気持ちもあって
原:何だかこの20年の年月をかけてたどり着いた形みたいなものを表していたりもするんですか
堅:プロジェクトっていうか
原:最後に名古屋のファンのみなさんに堅さんからメッセージをお願いします
堅:今名古屋で2泊して、昨日はひつまぶし食って、今日は味噌煮込みうどん食って
名古屋の皆さんて濃い味が好きなんですね。
原:大好きですね
堅:塩分過多注意してね、水分もきちんととって
まだ今後全然決まってないんですけども、またコンサート等々でお会いできるのを楽しみにしております。
原:ありがとうございます。甘辛い感じが好きなんですよね。
堅:手羽先とかね
原:醤油と砂糖とか味噌っていう
堅:うん、気つけよ